疾患情報
DISEASE INFORMATION
ばね指(屈筋腱腱鞘炎)
ばね指とは、指屈筋腱腱鞘炎のことです。
まず、指の付け根に痛みや腫瘤、熱感などが生じます。また指の曲げ伸ばしを行うと、途中で引っかかるようにカクカクした動きになり動かしにくくなります。重症化すると曲げた状態から自力で伸ばすことができなくなることもあります。これがばね指と呼ばれる所以です。
指には、指を曲げるための腱とその腱がズレないように押さえている腱鞘というトンネルがあります。指を反復的に動かすことでこの部分に摩擦が生じると炎症が起こります。その結果腱鞘や腱自体に肥厚が起こり、腱が腱鞘内をスムーズに通過できなくなることでばね指の症状が起こります。
男女比は、1:6で女性に多い疾患です。その中でも、更年期の女性や妊娠中・出産後早期に生じやすいといわれています。
母指・中指・環指の順になりやすく、複数の指に生じることもしばしばあります。
ばね指の治療には、保存的療法と手術療法があります。
保存的療法は、手を使いすぎないように安静を心がけながら内服・外用や腱鞘内ステロイド注射などを行います。多くはこういった治療で治りますが、なかなか治らなかったり再発を繰り返すことがあります。
そのような場合や指を伸ばせなくなるような重症の方々に対しては、腱が引っかかっている腱鞘の一部を切開して拡げる腱鞘切開術という手術が行われます。
術後リハビリも要さないことが多いですが、指が伸びにくくなる場合にはリハビリでストレッチの指導や矯正用装具の作製を行います。