疾患情報
DISEASE INFORMATION
キーンベック病(月状骨軟化症)
キーンベック病は、「月状骨軟化症(げつじょうこつなんかしょう)」ともいわれ、
手根骨の一つである月状骨が壊死を起こす原因不明の疾患です。
明確な外傷がきっかけとなることは少なく、繰り返し月状骨に加わる外力により発生すると考えられています。青壮年期の男性に発生しやすく、仕事上よく手を使う人に発症するといわれています。最近では高齢者や女性にも多く、月状骨の小さな不顕性骨折(はっきりしない骨折)が原因とも考えられています。
月状骨は手関節に8つある手根骨の1つでほぼ中央に位置します。月状骨は、周囲がほぼ関節に囲まれており血行が乏しいため、血流障害になり壊死しやすい骨の1つです。
手を使った後、手首に痛みと腫脹、握力の低下、運動制限などの症状に加えて手背の中央に押して痛い(圧痛)ところが存在します。X線検査で月状骨に輝度変化が生じていたり、変形が生じていれば診断がつきます。MRI検査をすれば、より詳しい状況がわかります。
主な治療
症状、年齢などによって治療が変わります。初期や疼痛が強いときには安静やギプス、装具による固定が行われますが、治らない時には、いろいろな手術が行われます。月状骨にかかる力を減らすために橈骨短縮骨切り術が行われたり、骨移植(遊離や血管柄付きなど)等も行われます。末期では壊死した月状骨を摘出したり、そこに腱球挿入(腱を丸めてスペーサーとして利用)する方法などが行われます。
詳しくは手外科専門医にご相談ください。