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2019-09-11
コラム
手関節TFCC損傷
手関節TFCC損傷などの手関節尺側部痛について
中学生や高校生の外傷でも見かける一方で、手をよく使う労働者や主婦などでよく見られます。
手関節の小指側に痛み(これを「手関節尺側部痛」と言います。)を認め、手をつく、
前腕を回すなどの動きで痛みが生じるものです。
手関節の小指側には、橈骨、尺骨の他、手根骨と総称される手のひらの骨があり、
それらを靭帯や関節円板(膝の半月板と同様、クッションの役割)でつないで関節を構成しています。
その外側には手首を伸ばす腱(尺側手根伸筋腱と言います)などがあり、手関節尺側全体を安定化させています。
特に、靭帯および関節円板をまとめてTFCC(三角線維軟骨複合体)と総称しており、この部分ではTFCCを始めとした
様々な病態がみられます。
症状は多彩であり、代表的な病態として以下のものが挙げられます。
1 手関節TFCC損傷
2 尺骨突き上げ症候群
3 尺側主根伸筋腱脱臼・腱鞘炎
4 遠位橈尺関節障害、変形性関節症
5 前腕骨間膜障害
治療としては、保存治療や手術治療があり、後者では関節鏡手術や尺骨短縮骨切り術、靭帯再建術などがあります。
これらの疾患は病態が複雑であり、臨床所見や画像所見などから総合的な判断をする必要がありますので、
同部でお困りの方は当院手外科医師を受診されることをお勧めいたします。